理系院生→金融系サラリーマンの書評ブログ

都内金融機関に務める27歳です。主にビジネス、金融、IT、人間関係、メンタルヘルスに関する本を紹介していきます。

読書について

こんばんは。りょーです。
 
先週から始めたこの書評ブログですが、記事を更新し続けるのってめちゃくちゃ難しいですね・・・。
何年も継続している方は本当に素晴らしいと思います。尊敬の一言です。
 
私も読んでくださる皆様に少しでも良い本を紹介していくので、何卒よろしくお願い致します。
 
本日ご紹介したいのは
 

「読書について」 著:ショウペンハウエル

 
です。
 
今に始まった話ではないのですが、仕事やプライベートのあちこちで
「読書は絶対にした方が良い」
という意見を耳にします。
 
私も、別にこの意見に目くじらを立てるつもりはありません。
読書は楽しいし、「なるほどねー」と新たな考え方を知る良いきっかけにもなります。
 
この本は言ってしまえば「読書の方法」を書いています。
「そもそも読書に方法なんてあるのかよ?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
実はあるんです。
 
「読書はした方が良い」という人も「どのように読書をするべきか」という方法までは教えてくれません。
「じゃあどんなふうに本を読めばいいの?どういう風に読むとダメなの?」という疑問に対して
ショウペンハウエルがヒントを与えてくれます。
 
余談ですが、ショウペンハウエルは19世紀の哲学者です。
200年前の人が、読書の方法を現代の私たちに伝えてくれるという事は
「読書に対する人間のスタンスは古来からそれほど変わっていないんだろう」という事を感じます。
 
 
この「読書について」で、ショウペンハウエルが一番主張したいのは

自分で考える時間を作る」という事だと考えています。

 
それは、本書でも述べられている通り
読書とは、自分で考える代わりに他の誰かにものを考えてもらう事である
 
読んだ内容について後から再び思索する事なく絶えず読書を続けると、根を下ろすことがなく、大半は失われてしまう
という文に込められています。
 
 
また、前回紹介した「イシューから始めよ」でも書いてあったのですが、自分で考えずに読書をするという行為の弊害は
知りすぎるとかえって新たなアイデアが生まれなくなる」というところにも繋がってくるのではないかと思います。
私も修士論文を書く際に、あまりにも様々な論文を読み過ぎて、結局ギリギリまでテーマが決まらなかったという経験があります。
インプットはそこそこにして、アウトプットの時間をしっかり取りましょう。
実際に、論文のテーマがすぐに決まった私の同期は、文献調査はそこそこに、自身の経験や興味を踏まえて
独特なテーマを導き出していました。(その人は在学中に自分でサービスを立ち上げていました)
 
また、ショウペンハウエルは「悪書を読むな」という主張もしています。
代表的なのが
悪書は単に無益であるばかりでなく、有害でもある
という一文です。
 
もちろん、ショウペンハウエルの時代と現代では悪書の定義が違うかもしれません。
そもそも、本自体が悪書なのではなく、読む人のスタンスによって本は良書にも悪書にもなるのではないでしょうか。(ありきたりな意見ですが)
ただ、私が感覚的に危険だと感じているのは
「人から薦められた本を何も考えずに読む」と言う事です。
自分が興味があるテーマならまだしも、興味もないのにとりあえず薦められたものを読んでも頭に残らず、時間の無駄にしかならないように思えます。
気をつけましょう。